2022年5月12日 14:00
伝説のヘアメイクドレッサーが親友の最後のメイクに向かう…『スワンソング』日本公開決定
と表現される。
エイズが蔓延した90年代から現在へ。実在の人物をモデルに描く
監督のトッド・スティーブンスは、17歳のときにオハイオ州のゲイクラブで“ミスター・パット”ことパトリック・ピッツェンバーガーが踊っているのを見て衝撃を受け、映画の道へ進んでからも、いつか同郷のこの人気ヘアメイクドレッサーを題材にした作品を撮りたいと思い続け、その念願を叶えた本作。
自身もゲイであるスティーブンス監督による本作は、実在の人物をモデルに、エイズが蔓延した90年代から現在に至るゲイカルチャーを真摯に見つめ、社会的な立ち位置や相続問題などのリアルなトピックも物語に取り込みながら誠実に描いた作品となっている。
映画界の秘宝ウド・キアーの新境地
主演は、ドイツ出身でハリウッド作品でも多数活躍する世界的名優、ウド・キアー。初期の『悪魔のはらわた』から、ラース・ フォン・トリアー作品まで怪優ぶりを発揮。ベルリン映画祭でガス・ヴァン・サントと出会ったのち、アメリカのインディペンデント映画の世界に参入。ヴァン・サント監督の『マイ・プライベート・アイダホ』や『ドント・ウォーリー』などに出演した。
本作でのキアーは、その強烈な個性はそのままに、人生最後の仕事への逡巡をエモーショナルに表現。