【シネマモード】「仏映画界を背負って立つ男」ロマン・デュリスが挑む喜劇の神様
映画『モリエール恋こそ喜劇』は、貧乏な劇団の俳優として、「もっと魂を追及できる真面目な作品に取り組みたい」と考えていた若き日のモリエールが、笑いの中に人間の本質を描き出す名作づくりへとどのように辿り着いたのかを描いたドラマ。製作者たちは、モリエールの人生の中で、空白となっている22歳当時の数ヶ月に着目し、どんな出会いがあり、どんなものを見て、聞いたのかを想像しながら、モリエールの内面に迫っていきます。
ちょっと乱暴に言うなら、フランス・モリエール版『恋に落ちたシェイクスピア』という感じでしょうか。とはいえ、ロマンの存在がこの作品をフランス映画らしい、良い意味での“ひと癖”を生み出しています。何せ、ロマンスも含まれる物語の主役なのに、髪型は似合っているのか似合っていないのか、容易には判断できないほどに微妙な感じの長髪。でも、かっこいいのか、悪いのかなんてどうでもいいと感じさせるほどのインパクトが、やっぱりロマンらしいのです。
以前、インタビューで会った際、何の前触れもなく、いきなりスキンヘッドで登場してきて驚かされたことがありましたっけ。インタビューの直前に見た作品とはあまりに違う印象だったので、「あっ、髪型が…」