2022年5月28日 16:30
『万引き家族』と『ベイビー・ブローカー』は「つながっている」是枝監督ら、カンヌで記者会見
ベイビー・ブローカーを追う刑事の視点が映画の縦軸に
Q:赤ちゃんとの撮影はどうでしたか?絆ははぐくめましたか?キャラクターが赤ちゃんに対して想いを描くことでどう変化していくか、そのあたりはどうでしたか?
監督:母親役のイ・ジウンさんに似ているとか、そういうこととは一切関係なく、音に反応する子ということで選びました。
それは正しかったんじゃないかと思っていますが、撮影の現場で、ソン・ガンホさんが動くと目で追ったり、目の前にいる養父母役の女性の顔に触ったりすることが、もちろん僕の演出ではなく起きていました。彼が電車の中でずっとカン・ドンウォンさんの手をずっと握っていたりして、そういうことが多分大人のお芝居にも活きてきているのではないかと思います。最後、ホテルで(赤ちゃんを)売りに行こうとするサンヒョン(ソン・ガンホ)に語り掛けるように赤ちゃんが大きな声を出してソン・ガンホさんの顔をみるとか、もう二度とできないと思いますが、本当にこういうことが起きるんだなって思う奇跡的な瞬間が、映画の中にはたくさんありました。
ソン・ガンホ:今監督がおっしゃったように最後のシーンですよね。赤ちゃんが僕を見ていて、「ソンもういいんじゃない?テイク数、十分だと思うから撮影もうここでいいんじゃない?」