じっくり観たいおすすめ良質ドキュメンタリー『おやすみオポチュニティ』『サイバー地獄』ほか5選
感動する、だけでいいの?
『特殊じゃない、異なりもしない、だれもが愛しいチャンピオン』
オーディションで選ばれた実際の知的障がい者たちを起用した、2018年のスペイン映画『だれもが愛しいチャンピオン』の舞台裏とキャストたちの日常をとらえたドキュメンタリー。撮影風景や家族へのインタビューなどから、彼ら一人一人のストーリーを捉えていく。
スペインで大ヒットを記録した『だれもが愛しいチャンピオン』は、不祥事を起こしたプロバスケチームのコーチが、社会奉仕活動の一環として知的障がい者チームを任されることとなり、個性的な面々とともにチャンピオンを目指す…というスポーツコメディ。コーチはチームのメンバーとの関わり合いの中で人間として成長し、勝敗ではない人生の価値を見出していく感動作だ。
映画に出演した10人の知的障がい者たちにフォーカスしたこのドキュメンタリーでは、監督のハビエル・フェセル、主演のハビエル・グティエレス(障がいを持つ子の親でもある)や映画のスタッフ、家族だけでなく、教師やケアの専門家など彼ら支援する人々にもカメラを向け、教育、就労、公的サービスなど障がい者を取り巻く社会的な問題点をも拾い上げていく。