2023年5月5日 17:00
ケイト・ブランシェット主演『TAR/ター』ほか手掛けた全作品がアカデミー賞候補に!トッド・フィールド監督に迫る
作曲家としても圧倒的な地位を手にしたターだったが、マーラーの交響曲第5番の演奏と録音のプレッシャー、新曲の創作に苦しんでいた。そんなとき、かつてターが指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは追いつめられていく――。
「唯一無二のアーティスト、ケイト・ブランシェットに向けて書いた」と監督が断言する脚本を演じ切ったブランシェットは、“怪演”と呼ばれるほど圧巻の<ター>を披露。
ブランシェットは、ターの人物像について、「ターには権威のある地位に就いている人特有の不可解さがある。それを、どう表現するかがカギとなった。観客がターの体験に共感できるような場面を作ることも重要だった」と語り、「彼女は、自分のことをあまり分かっていない人だから。女性指揮者は往々にして、室内楽曲をあてがわれて、大作は任されない。それで彼女はがっかりしてしまう。
彼女はこの世界に浸透した慣習に疲弊した結果、賢明とは言えない決断を下してしまう」と説明。
さらに、トッド・フィールド監督は「本作は人間について、権力について、そしてヒエラルキーについてであり、皆さんにきっと真価を認めてもらえることでしょう」