2023年6月3日 13:00
『アシスタント』「加害者だけを排除したところで…」職場の根本的問題に監督がコメント
と監督。「マスコミは“環境”というものを問題視していなかったのです。組織の構造や、日常的な環境が有毒であるならば、加害者だけを排除したところで問題は解決されません」と、本作を撮影するきっかけについて明かす。
そして本作のために1年ほどかけて、ワインスタイン・カンパニーも含め、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの組織のヒエラルキーの下にいるアシスタントや、重役のポジションにある人など、様々な立場にある100人以上にインタビューを敢行した。「職場でミソジニーやセクシズムが蔓延している理由は何なのか、より広い視点で問題をとらえるために様々な人と話しました」と語る監督は、「とはいえ、まだ微妙な時期だったので、多くの人にとって公の場で話をすることは怖いことでした。しかし誰かが口火を切ると、みんなが少しずつ話してくれるようになりました」とふり返る。
結果的に「仕事の割り振り方、意思決定の場に参加できないなど、日常の些細なことが大きな問題になっていると気づきました」と監督。
「男性は力のあるポジションに容易に行けるが女性はそうではない。普段、意識されない性差別が構造の中にあり、それが女性の昇進も阻んでいるのです」