【シネマモード】お帽子ファッションに注目『アデル/ファラオと復活の秘薬』」
でも、シネマモードとしては、やはり“モード”の方が気になるのは当然のこと。リュック・ベッソンの作品は、監督自身は全然スタイリッシュじゃないのに、ヒロインたちはちゃんとスタイルを持っているのが特徴。今回のアデルも、男勝りのジャーナリストといえど、フルレングスのドレスを着て暴れまわります。なぜって、舞台は20世紀初頭、1911年だから。いまでこそ、女性のジャーナリストと言えば、こざっぱりとしたショートカットにパンツスーツというイメージですが、彼女はちょっと固めの職業につきながらも、ばりばりのモードを身につけています。
ゴージャス極まりない羽飾りのついたつば広の帽子と、首に巻いたストールがトレードマーク。動くたびにひらひらと揺れる羽根飾りは、何とも優雅で、クラシカルな顔立ちのヒロインによく似合います。
それにしても、帽子にまで気を遣わなければならなかった時代は、さぞコーディネートが大変だったことでしょう。
服と合わない帽子を身につけようものなら、全身の印象がちぐはぐなものになってしまうはず。流行の最先端を身につける職業婦人のアデルは、常に服と同じ色味を使った帽子をかぶっていますから、頭のてっぺんからつま先まで、思い切り統一感のある印象を与えています。