『火の鳥 エデンの花』監督がインスピレーションを得た参考作品とは?
さらに、ロミとコムが岩舟で流れ星に出会うシーンについては、東映動画(現・東映アニメーション)が手掛けた初のSF映画『ガリバーの宇宙旅行』(1965年)を真似したと明かす。貧しくも夢多き少年テッドが、年老いたガリバーに出会い宇宙へ飛び出すファンタジーアドベンチャー作品だ。
この作品について西見監督は、「主人公の乗ったロケットが宇宙で星と出会う場面がすごく綺麗でいいな、と思って。今回は本当に手探りだったので、いろいろな作品を参考にして、自分の好きなイメージやシチュエーションを少しずつ拝借して組み立てていったところはあります」と語った。
そのほかにも、「たとえば『インターステラー』(2014年)もずっと頭にありましたし、ほかにも過去に見た映画の要素が無意識に画面に滲み出てくるところもあると思います」と語っており、アニメーション作品・実写作品、製作年代にとらわれず、“冒険”や“宇宙”をテーマとした作品から幅広く着想を得ているようだ。さらに西見監督は、「エンタテイメントとして着地できればいい、この物語を面白く楽しんで観てほしいという目的はひとつあったと思います。最後まで退屈せずに見てもらえるように、いろいろなアニメーション的な仕掛けを織り込もうと意識していた部分はあります」