くらし情報『【インタビュー】佐藤健×山田智和監督、作り上げたのは“いま”を映す恋愛映画』

2024年3月20日 12:20

【インタビュー】佐藤健×山田智和監督、作り上げたのは“いま”を映す恋愛映画

画面/観客に向かって藤代が徐々に近づいてきて、それに伴って感情が増幅していくといいますか。今にも泣きそうな人が接近してきて、決壊してしまう“痛み”のグラデーションを感じました。

佐藤:そうした意味では、ドキュメンタリーに近い手法でした。カットを割って光(照明)をセッティングしてそれに合わせて芝居していく形式とは、全く違っていました。山田:実際に人が泣くときは、薄暗いベッドの上などではなく移動時のような街の隙間ではないかと思います。いま(佐藤)健くんが言ってくれたドキュメンタリー性ではないですが、そうした空気感を作りたいと思っていました。

佐藤:エスカレーターを上りながら泣く、というのもその日のノリで決まりましたから。もし僕が「階段で座って泣きたい」と言ったらそうなっていたでしょうし、自然現象をそのままとらえるような現場でした。


【インタビュー】佐藤健×山田智和監督、作り上げたのは“いま”を映す恋愛映画

――ドキュメンタリー手法は、どういった経緯で選択されたのでしょう。

山田:元々僕がそういった手法でしかやったことがなく、今回は長編初監督だったこともあって自分の得意なものをやらせていただきました。そこに健くんはじめ俳優部の方々が反応してくれた形です。エスカレーターのシーンも最初はもう少し落ちついて座って泣くものを想定していましたが、前後の芝居をやっていくなかで「やっぱりここがいいね」

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