「お互いに話していい」「最低限必要なこと」『HOW TO HAVE SEX』監督が性的同意について込めた思い
昨年の第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞した映画『HOW TO HAVE SEX』が、ついに日本公開。ティーンの友情や恋愛、セックスが絡み合う青春の夏休みを舞台にした本作について、モリー・マニング・ウォーカー監督が本作で描きたかった“性的同意”についての思いを語った。
※本記事は映画の内容に触れています。ご了承の上お読みください。
ウォーカー監督の初短編『アンスピーカブル(原題:Good Thanks, You?)』は、性被害の後に何が起こるか、あらゆる年齢層で性的同意が誤解されている状況、またそれらに関する会話がしばしば沈黙によって覆い隠されてしまう状況を探求した作品。
「伝えたいことを出し切ったという感覚はまだなかった」と言うウォーカー監督は、本作においても性的同意をめぐる複雑な対話を、より流動的な表現で描き出す。
主人公タラ(ミア・マッケンナ=ブルース)の些細な変化を見逃さず、優しく寄り添うエム(エンヴァ・ルイス)に対して、タラが自分に起きたことを伝えるシーンがある。
「(タラは)自分に起きたことに違和感を覚えていて“何かが正しくない”という感覚を伝えることはできています。