アカデミー賞監督、キャンセルカルチャーを問う ドキュメンタリー『ジョン・ガリアーノ』のテーマは“赦し”
何が起こったのかを自分自身で完全に理解できていない人物を見るとき、それはいつも本当に興味深いドキュメンタリーになると思います」と話す。
「ジョンのようにトラウマ的な経験をした人についての映画を作るときに覚えておかなければならないことのひとつは、信頼を得る必要があるということ。だから私は、彼と長い間話をし、個人的なレベルで彼を知ることで、それを達成できたと思っています」とドキュメンタリー撮影にあたっての信条を教えてくれた。
また、インタビューではもう一つの大きなテーマ“赦し”についても触れられた。
芸術作品と芸術家の関わりについて尋ねられると、「例えばピカソの女性への虐待を許すべきか議論したり、イギリスの芸術家が小児性愛者であったという理由で彼の作品を撤去すべきかどうかを議論したりすることは、本当に当たり前のことになりました。私はこれに関して驚くような、決定的な見解を持っているわけではない。ケースによるところが大きいと思います」と持論を語る監督。
「ですが、“誰もが誤ちを犯す可能性があり、誰もが人間である“ということを忘れてはいけないとも感じています。
だから私のこれまでの作品において、例えば『モーリタニアン 黒塗りの記録』では、グアンタナモに収監されている人物を描きました。