【ネタバレあり】「アガサ・オール・アロング」最終2話 アガサ&ビリーのバディよ、永遠に
アガサが禁断の書物と引き換えに息子を差し出したという噂や、リリアが散々嘆いてきた魔女の伝説がそうであるように、伝承とはこうして口コミで聞いた事柄にどんどん期待や皮肉などの尾ひれが付いていってしまうもの。
アガサはそれを自分に都合よく利用した。“魔女の道のバラッド”(時を越えるアガサ・バーション)とともに、何世紀にもわたって魔女団を集めては魔女たちの力を次々に吸収していくアガサの姿を目にするのは圧巻だった。
裏を返せば、アガサは今回ビリーによって初めて、魔女団と実際に手を携えて苦楽を共にする機会を得たということ。その冒険は、アガサがこれほど魅力的で(身勝手で)癒えぬ傷を抱えて(なお憎たらしく)孤独な魔女であることを改めて教えてくれた。
一方、ビリーもまた自身が創り出した世界でシャロンやアリス、リリアを殺してしまったことの贖罪を抱えて生きていくことになる。幽霊になったアガサはメンターとして、そんなビリーに付き添っていくらしい。2人はもう、はぐれ者じゃない。
このバディがトミーの魂を宿した少年を探す旅は、時々リオやジェンが2人の邪魔をしに現れるスピンオフまたは続編だけでも需要がありそうである。