くらし情報『ロシアン・ルーレットと化したソユーズ宇宙船―相次ぐ問題、失われゆく信頼』

2014年10月3日 18:16

ロシアン・ルーレットと化したソユーズ宇宙船―相次ぐ問題、失われゆく信頼

一方の弾道再突入モードは、打ち上げ時にロケットが故障したりといった緊急事態の際に「飛行士の命だけは助ける」ことのみを考えたモードであり、乗り心地に関しては保障されておらず、このときは約10Gもの加速度が加わったという。また着陸地点も大きくずれ、アンテナも損傷したため位置の特定も難しくなり、回収部隊の到着が大きく遅れたことで、宇宙飛行士は待ちぼうけを食らう羽目にもなった。

2007年10月には、ソユーズTMA-10が、やはりISSからの帰還時に弾道再突入モードに陥った。さらに2008年4月には、ソユーズTMA-11でふたたび同様の問題が発生した。この2件は、大気圏再突入の直前に分離されるはずの帰還モジュールと機械モジュールとが繋がったまま再突入したために起きた。運良く再突入時の高熱によって両者は分離されたことで大事故にはならなかったものの、やはり弾道再突入モードであったため、宇宙飛行士には大きな負荷がかかり、着陸地点もずれることになった。分離されなかった原因は爆発ボルトの不点火であったと結論付けられている。以降は改修が施されたためか、同様の事故は発生していない。


また、ソユーズは通常、耐熱シールドがある底部から大気圏に突っ込むが、この3件では頭部側から大気圏に再突入したため、ハッチには大きな圧力と熱が掛かった。

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