2014年10月3日 18:16
ロシアン・ルーレットと化したソユーズ宇宙船―相次ぐ問題、失われゆく信頼
底部とは異なり、ハッチ側は最低限の耐熱処理しか施されていないため、もし加熱が続いていればハッチは破壊され、船内に高熱のプラズマが流れ込み、宇宙飛行士が死亡する事態になったはずだ。また、同じく頭部にあるパラシュートのハッチが壊れ、中のパラシュートが燃えるようなことになっていれば、再突入後の減速と着陸ができず、帰還モジュールは地面に叩きつけられ、やはり飛行士が死亡する事態になっていただろう。
その後ソユーズTMAは、ソユーズTMA-22をもって引退し、ほぼ時を同じくして次世代のソユーズTMA-Mが登場した。前述のようにソユーズTMA-Mはコンピュータを中心に大きな改良が加えられており、軽量化のほか、従来打ち上げからISSへの到着までは約2日間掛かっていたが、わずか6時間での飛行が可能となった。当然これほど多くの改良を加えることに対しては、不安視する声もあったが、1号機から11号機までは安定した飛行を続けていた。
しかし今年3月、ソユーズTMA-12Mが打ち上げ後に、スラスターの噴射で問題が発生し軌道変更に失敗し、予定では6時間でISSに到着するはずが、2日掛かる旧来の飛行プロファイルに急きょ変更された。