2014年10月15日 08:00
対談! 日本のものづくり - プロトラブズが国内有識者と探る (16) ソニー Smart Tennis Sensor企画開発担当者 中西吉洋氏(前編)
打った瞬間にセンサーが反応すると、皆、「おおっ!」と歓ぶのです。この歓びには何かある、と手応えを感じました。
パン氏:いま打った球が、ラケットのどの部分に当たり、勢いがどの程度だったか、その場ですぐに分かる。そこに感動があったわけですね。
中西氏:その後、オリンピックのコーチなど、いろいろな方にお話をうかがったのですが、高校生にヒアリングした時と同じく「その場ですぐに映像とデータが見られる」ことを極めて重要視されるのです。その機能を必ず押さえるように決めました。
パン氏:キーポイントをつかんだのですね。ちなみに、試作の段階では、センサーを付ける場所や大きさ、重さなどは決まっていたのでしょうか?このあたりも非常に重要なポイントのような気がします。
中西氏:場所については相当な試行錯誤がありました。はじめはセンサーをテニスラケットのシャフトに巻いていたのですが、これでは持った瞬間にバランスが崩れてしまいます。そこから、多くのパターンを作り、少しズレる、重い、と検討を繰り返しました。センサーの重さは「10グラム以下」と目標を定めて、最終的には8グラムを達成しました。
パン氏:この8グラムという重さは、そのまま試合に出られるぐらいのレベルなのでしょうか?
中西氏:一般的な使用感に、かなり近いところまで行けると思っています。