2014年10月16日 11:00
ロシアンルーレットに負けた航法衛星ガリレオ - なぜ打上げに失敗したのか
また製造をしているのも、ソユーズ2.1bはRKTsプラグリェースで、フレガートMTはNPOラーヴォチキンであり、それぞれ別会社である。
フレガートはソユーズやゼニート・ロケット向けび開発された上段だ。上段(Upper Stage)とは、ロケットと衛星の間に搭載されて、ロケットからの分離後にその衛星を最終的な目的地である軌道へ送り届ける役目を持つ。ロケットの最終段(もしくは最上段)とも見なせるが、多くの場合ロケットから独立したシステムを持っており、それ単体がひとつの別な宇宙機と見なせる造りになっている。また、エンジンの再点火が可能で、例えば複数の衛星を、複数の異なる軌道へ投入したり、何度も軌道変更を必要とするような複雑な軌道への投入が可能であったりといった特長を持つものが多い。
フレガートは6個の球体を円状に並べた、ポン・デ・リングのような外見をしており、このうち4個に推進剤が、残りの2個に電子機器が収められている。推進剤には非対称ジメチルヒドラジンと四酸化二窒素が使われている。カタログスペックでは、最大3日間の軌道滞在と、20回以上ものエンジンの再着火が可能とされている。
また推進剤タンクの容量などによっていくつかの種類があり、ソユーズST-Bに使われているのはフレガートMTと呼ばれ、球形の推進剤タンクに、さらに小さなタンクを外付けすることで推進剤の搭載量を増やしたものだ。