くらし情報『ロシアンルーレットに負けた航法衛星ガリレオ - なぜ打上げに失敗したのか』

2014年10月16日 11:00

ロシアンルーレットに負けた航法衛星ガリレオ - なぜ打上げに失敗したのか

ただし予定の軌道にたどり着くことはできたため、双方とも打ち上げ自体は成功している。

○原因は設計時のミス

それでは、今回のガリレオの打ち上げ失敗はどのようにして起きたのだろうか。

今回のミッションでは、ロケットの離昇から約9分後に、ソユーズの第3段から、フレガートMTと衛星とが結合した状態で分離される。その後、フレガートMTは1回目の燃焼を開始し、約13分後に燃焼を停止する。そして約3時間にわたって慣性飛行を行い、再びフレガートMTのエンジンを点火、そして約5分後に燃焼を停止し、衛星を分離する、という流れになるはずだった。

発表文によれば、その約3時間の慣性飛行中に、姿勢制御スラスターにつながるヒドラジンの配管が凍って詰まり、姿勢制御スラスターのうち2基が動かなくなってしまったという。それにより、フレガートMT自身が認識している姿勢の状態と、実際の姿勢とに狂いが生じ、その状態で第2回の燃焼を始めたために、誤った方向に向かって飛行することになった。その結果、予定していた軌道に衛星を送り込むことができなかったとされる。


そして調査によって、ヒドラジンの配管が、加圧用の極低温ヘリウムの配管と、アルミニウム製の支持構造物(クランプ)

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