くらし情報『ロシアンルーレットに負けた航法衛星ガリレオ - なぜ打上げに失敗したのか』

2014年10月16日 11:00

ロシアンルーレットに負けた航法衛星ガリレオ - なぜ打上げに失敗したのか

フレガートはこれまでに47機が打ち上げられ、今回以外に2度の失敗を起こしている。最初は2009年5月21日、ロシアの軍用通信衛星「メリディアーン2」を打ち上げた際に起き、第2回の燃焼が計画より早く停止するという問題が発生し、予定していた軌道に投入できなかった。ただし衛星側のスラスターで挽回は可能であるとされ、打ち上げは成功と発表された。原因は飛行プログラムのパラメーターの入力ミスで、第1回と第2回の燃焼の間に、推進剤を計画より多く使ってしまったためであると結論付けられている。

2回目の失敗は2011年11月8日の火星探査機「フォボス・グルント」と「蛍火一号」の打ち上げにおいて起き、ゼニート・ロケットからの分離後、フレガートのエンジンが点火せず、軌道を脱出して火星に向かう軌道に乗り移ることができなかった。ただしこの時使われたフレガートは、フォボス・グルントと一体となった構造をしており、また推進剤の搭載量を増やした「特注品」であり、さらにトラブルの原因も探査機内のコンピュータにあったと推定されているため、フレガートそのものの失敗とは言いがたい。

なお公式には発表されていないが、2006年と2007年には、飛行中において、バルブの故障によって推進剤タンクを十分に加圧できない状態になったとされる。

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