くらし情報『ロシアンルーレットに負けた航法衛星ガリレオ - なぜ打上げに失敗したのか』

2014年10月16日 11:00

ロシアンルーレットに負けた航法衛星ガリレオ - なぜ打上げに失敗したのか

また、報告書には「ソユーズ・ロケットの故障ではない」と強調して書かれてあり、今回の失敗はあくまでフレガートMTのみ、またラーヴォチキンのみに原因があるとしている。

だが、それでもロシアの宇宙開発全体の信頼性やブランドに影響を与えることになったのは間違いない。また、フレガートは今まで比較的失敗が少なかったことから、ロシア全体としての宇宙開発の技術力、やはり衰退しているということも示唆している。

これからフレガートには、信頼の回復に向け、長い道のりが待っている。前述のように、ギアナ宇宙センターからのフレガートを積んだソユーズの打ち上げ再開は今年12月に、またロシアからのフレガートの打ち上げは11月に予定されている。まずはこれらの打ち上げが成功するか、そして今後も打ち上げ成功を続けることができるかが鍵となる。

一方の欧州にとっても、今回の事故はいくつかの変化を呼び起こすかもしれない。

例えばガリレオは、ソユーズと、欧州製のアリアン5 ESロケットの両方を使って打ち上げられることになっているが、今後アリアン5 ESのみを使うという方向に傾く可能性はある。


またソユーズは、フランスの偵察衛星などの打ち上げでも使われているが、安全保障に関する衛星をロシア製ロケットに依存するのは好ましくないという声がかねてよりあった。

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