2014年11月17日 09:23
競争力強化のため、今、本当に有効な業務改善・改革の手法とは? (1) 課題抽出は「業務の見える化」から
マネジメントレベルの課題から部門レベルの業務プロセスの最適化まで、それぞれのレベルで効果を発揮するのが、BPMという管理手法なのである。
しかし現実問題として、組織、システム、ルールがおのおの細分化・分断されているとプロセスはつながらない。BPMを実践しようにも先のPDCAサイクルを回すことが困難となり、結果として、部門や一部のプロセスの改善はできても、経営目標に直結するような形での改善にまでは至らないことも多い。社内に複数のシステムが乱立し、それぞれが連携せずに別々で管理、運用されている事例がその代表格だ。例えば市場を予測するマーケティング部門や、受注業務を行う営業部門、商品をつくる生産部門が持つ情報やプロセスが連携していなければ、深刻な在庫不足や過剰生産を招きかねない。さらに日本全国・世界各国に拠点を持つ場合はより複雑化し、スピーディーに生産調整を行うことも困難だろう。こうした問題を解決するために、場当たり的なシステム連携や業務プロセスの変更を繰り返していると、システム、業務プロセスはよりいっそう複雑化し、全体を俯瞰することも、迅速に計画を修正することもできなくなってしまう。事業再編や買収・統合を繰り返して業容を広げてきた大企業ほど、こうした問題は根深い。