2014年11月18日 10:00
研究者から絶大な支持を集めるCAEソフト「COMSOL Multiphysics」の最新版
排出物は環境負荷が非常に小さく、さらにタンクへの充填時間はガソリン車並みに短時間で済む。
現在のハイブリッド車の欠点である、環境負荷の高い化石燃料に依存する点や、充電式電気自動車の最大の欠点である、長い充電時間を克服できる。
しかし、燃料電池には一般的に構造、熱、流体、電気、化学反応といった異なる5種もの物理現象が複雑に関わっていると考えられる。仕組みの複雑さから性能アップが難しく、今まではアポロ計画やスペースシャトルといった宇宙開発のような、特殊な用途がほとんどだった。
自動車など一般消費者向け製品で利用するには、小型、軽量かつ高性能を要求されるが、先に述べた5種もの物理現象が関わる場合、1~2種の物理現象に注目する従来の開発手法では、短期間での開発は困難だ。特に、化学反応と他の物理現象を連成して解析することは、従来は極めて困難だった。
このような「複雑に絡み合った条件を満たす結果」を求めるためには、マルチフィジックス解析は欠かせないものである。だがCAEソフトウェアの多くは、この「マルチフィジックス解析」を行うために、それぞれの現象に合わせた異なるソフトウェアを用いる必要がある。