2014年11月20日 12:17
アンタレス・ロケットの打ち上げ失敗とソ連からやってきたロケットエンジン (1) 5号機でつまづいたアンタレス・ロケット
スペースX社とオービタル社はともにNASAからの資金援助を受けつつ、ロケットと無人補給船の開発をはじめた。だが、両社が開発したロケットには大きな違いがある。
スペースX社のファルコン9ロケットとドラゴン補給船は、ともに同社内で設計、製造された。もちろん米国の厚い宇宙産業の下地があってこそ可能だったことだが、ともかく開発はすべて自社内で完結している。
それに対してオービタル社のアンタレス・ロケットは、ほとんどが他社で開発、製造されれたものを組み合わせて造られている。例えば第1段のタンクはウクライナのユージュノイェ社から購入しており、またその設計はウクライナのゼニート・ロケットのものを短くしたものだ。そこにロシアで約40年間保管されていたロケットエンジンを装着する。そして第2段には米国のアライアント・テックシステムズ(ATK)社が製造する固体ロケット・モーターを装備している。
この第2段はもともと大陸間弾道ミサイルのLGM-118ピースキーパーで使われていたもので、その後アジーナIIやトーラスXLなどのロケットにも使用されたキャスター120というロケットモーターからさらに派生したものだ。