2014年12月3日 16:00
山田祥平のニュース羅針盤 (40) 「デバイスを守る」から、「ユーザーを守る」へ
今年は、携帯電話各社が音声定額システムをスタートさせたことから、迷惑電話や詐欺電話をかける側のコスト構造もこれから変わっていく可能性があるという。名簿業者などから入手した電話番号に片っ端から電話をかけるにしても、1回8円のコストがかかるのとかからないのとでは大きな違いがあるからだ。それが迷惑電話の温床となるのは間違いなく、それを今からブロックする体制を整えることは重要だという。
今回のアプリの実装では、個々のユーザーが独自にブロックした電話番号を収集するようなことはない。その情報があれば、リストの精度は上がっていくはずだが、現時点では、個人情報であるとして見送られている。ただ、将来的にはユーザーの同意を得て、同意したユーザーのみ、そのブロック情報を収集するようになる可能性もあるということだ。
これらの詐欺に遭いやすい高年層が、スマートフォンにアプリを入れて対策するということは難しいという課題もある。そもそも高年層が使っている端末は、まだ、ガラケーというケースも多い。
本当なら、キャリア側でブロック等を行うほうが効果がありそうなものだが、通信事業者がそんなことをやってもいいのかどうかといった問題が出てくる。