日本では、7-9月期のGDP(1次速報値)が2四半期連続のマイナス成長となるなど、消費税率引き上げに伴なう駆け込み需要の反動に加え、天候不順の影響などもあり、デフレ脱却・経済再生は未だ道半ばの状況です。ただし、少し先を見渡すと、2020年の東京オリンピック/パラリンピック開催を契機とした日本再生に向けた動きが、人々の気持ちの高揚につながるだけでなく、株価の押し上げ要因にもなると期待されます。
前回の東京オリンピック(開催決定:1959年、開催:1964年)の頃の日本はちょうど高度成長期に差し掛かったところで、この前後にインフラの普及が急速に進みました。次の東京オリンピックは、前回から56年後の開催となり、景気循環サイクルの1つで、インフラ更新や技術革新などに伴なう超長期(50~60年周期)の景気波動を指す「コンドラチェフの波」の周期と重なるとみられます。こうしたことから、今後、オリンピック開催に直接関連する施設の整備にとどまらず、既存の幅広いインフラについても、更新や補修等の対策の活発化が見込まれます。例えば、前回のオリンピックの前後に高速道路などの設置が進んだのに伴ない、1970年代初頭にかけて道路橋梁が急増しましたが、建設後40~50年が経過し、今後、劣化損傷が多発する懸念もあり、対応が必要となっています。