2014年12月5日 12:00
"アナログ"な手帳と"デジタル"ツールは共存していく - デザイナー・佐藤卓が語る手帳カバー「SSACK」制作秘話
――まず、SSACKを制作されることになったきっかけをお教えください。
佐藤:
まず最初に糸井さんから打診をいただきまして、それが直接のきっかけですね。糸井さんが求めていらした"「ほぼ日手帳」の新しい顔"という大きなテーマに対して、シリコンはその答えに近いと思い、採用したというところです。
手帳のカバーとしては新鮮に感じられるシリコンですが、素材としてはかなり生活に浸透してきていますよね。手帳に近い形であればブックカバーですとか、そのほかにも財布や小物入れなど、本当にいろいろな物に使われている。そして、シリコンについて市場調査をしてみると、意外と加工もしやすいし、色もきれいに出るし、とても面白いものだと分かったんです。
――では、初期段階からシリコンに絞って開発を進められたのでしょうか?
佐藤:
いえ、革や紙など、手帳によく使われてきた素材も試してみたのですが、どうしても保守的な感じになっていってしまいます。というのも、既存の手帳カバーはいろいろな試行錯誤の末に今の形になっているので、そのデザインの完成度はとても高くて、新規にデザインしても、手帳としての使い勝手を考えていくと、既存の形に近づいていってしまうんですね。