喫茶店王国・愛知県で異彩を放つ喫茶「丘」が全面ギンギラギンになった理由
円や長方形の組み合わせなどさほど複雑ではないが、多彩な模様が連続的に配列しているようだ。このまばゆいばかりの空間にペパーミントグリーンのソファを配置することで、どことなくファンシーなムードも漂う。
○応急処置が始まり
さぞやメニューも個性的に違いない……と思いきやこれがいたって普通。愛知の喫茶店の定番、モーニングサービスあり、カレーや牛丼、ハンバーグ定食あり。喫茶店でありながら定食屋顔負けの食事メニューがそろっているのは、郊外の店ならむしろオーソドックスなラインナップと言える。
ではマスターはさぞやキャラが立っているはず……と恐る恐る声をかけると、これがまたとても普通。話をふれば気さくに答えてくれるが自己主張は強くなく、「写真は勘弁してください~」とやんわり拒否するほど控えめ。一体どうしてこのマスターにしてこのド派手な空間が作り上げられたのか?
「シミやヤニで汚れてしまったんでそれを隠そうと思ったんですよ」。
何とその理由は拍子抜けするほど実務的。店は昭和45年(1970)オープン。長年の営業で壁や天井の汚れが目立つようになり、お客さんからは「暗くて新聞も読めん!」と言われる始末だったとか。