くらし情報『難病・クッシング病の原因遺伝子を発見、発症メカニズムを解明 - 東工大』

2014年12月24日 15:52

難病・クッシング病の原因遺伝子を発見、発症メカニズムを解明 - 東工大

を外して受容体を細胞膜にリサイクルし、その分解を抑制することを明らかにしてきた。すなわち、USP8が受容体のユビキチン化レベルを調節してその分解速度を調節することで、活性化受容体から発信される化学シグナルの量を調節していることを解明してきた。

クッシング病患者から摘出した脳下垂体腫瘍の網羅的ゲノム解析の結果、患者17人中6人(35%)の腫瘍でUSP8にホットスポット変異(1アミノ酸の置換あるいは欠失)が発見された。これらの変異は「14-3-3タンパク質」(※7)に結合する「6アミノ酸配列Arg-Ser-Tyr-Ser-Ser-Pro」に集中していた。

変異USP8は14-3-3タンパク質結合能を失い、14-3-3結合配列の近傍で未同定のタンパク質分解酵素による切断を受けやすくなっていた。切断されて生じたUSP8断片は脱ユビキチン化酵素活性ドメインのみからなり、高い酵素活性を示した。そして、「上皮細胞増殖因子(EGF)」で刺激した細胞においてユビキチン化されたEGF受容体を過度に脱ユビキチン化した。

その結果、"リソソーム行きの荷札"を外されたEGF受容体が分解されずに細胞表面にリサイクルされ、EGFのシグナル伝達の下流で働く「タンパク質リン酸化酵素(Erk)」

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