『ベイマックス』の舞台サンフランソウキョウは"別府"をイメージしたもの!? - アニー賞を獲得したクリエイター上杉忠弘が明かす舞台裏
そうした中で、エンリコ・カサローサさん(後にディズニー/ピクサーの短編『月と少年』の監督を務める)が、日本に来た際に私を訪ねてきたんです。そしてその一年後くらいに、今度はロニー・デル・カルメンさん(ディズニー/ピクサー最新作『インサイド・ヘッド』共同監督)という方を伴って再び訪ねてきて。当時2人はストーリーボードアーチストだったんですが、この方たちが来た時に「アメリカで仕事があったらやる気があるか?」と訊かれまして。「そりゃ(仕事が)来たらやりますよって誰でも答えると思うんですが」と答えたところ、そのコメントが一人歩きして、当時ピクサーに在籍していた『コララインとボタンの魔女』の副監督のマイク・カチュエラに伝わり、彼が私をヘンリー・セリック監督に推してコンセプトアートの依頼に繋がっていったようです。もっとも、最初はキャラクターデザインの依頼だったのですけど。
実は、こういった経緯を僕が直接聞いたのも、かなり後だったんですけどね。それで『コラライン』の仕事が前例となって賞も貰ったり、人的交流もあって、外国人ですけど仕事を依頼しやすい雰囲気になっていったのではないかと思います。いくつかの企画の立ち上げに携わったあと、『ベイマックス』のお話がありました。