2015年2月5日 12:41
JALが大雪時の安全運航のために日本一雪が降る空港でしていること
飛行機は天候の影響を受けやすく、冬季運航で一番危惧されるのが大雪時の運航だ。雪や氷は滑走路のみならず、飛行機が浮く構造そのものにも影響を与えている。そこで今回、全国で唯一累計降雪量が10mを超えるという青森空港で、JALが安全運航のために実施していることを取材した。
○主翼に氷や雪が残っていてはいけない理由
そもそも飛行機には「クリーンエアクラフトコンセプト」という決まりがある。1980年代に米国で起きた雪が原因の事故を契機にFAA(アメリカ連邦航空局)によって制定されたもので、翼やプロペラ、操舵(そうだ)面、エンジンインレットなどに氷や雪が付着したまま離陸することを禁じている。
それは、主翼の上下を流れる空気の圧力差で生じる揚力によって浮く飛行機において、主翼の上面に氷や雪が残っていると十分な揚力が得られなくなるという構造的な理由があるからだ。なお、胴体は完全に除雪せずとも、ペイントが透けて見える程度なら離陸可能としている。
フライト中はというと、機速や気圧などを計測するセンサーや操縦席窓には電熱線でヒーティングし、主翼前縁やエンジン吸気エリアには熱風を送るなど、飛行機に備えられた機能で氷の付着を防いでいる。