漫画の女子力 (1) 日本一の小学生、しずかちゃん
心優しい優等生ヒロイン――しずかちゃんの底力は、そんなちっぽけなものではないのだ。しずかちゃんの女性としての実力は、もっと広く世に知られていいと、私は強く思っている。しずかちゃんはさりげなく、しかし確実に、したたかなのである。
○オタサーの姫……出来杉君とも仲良し
まず紐解きたいのは、あの有名なセリフ、「キャー、のび太さんのエッチ!」についてだ。小学生にして、この発言である。しかも、さん付け。あんなに毎日のように遊んでいる男の子に対して、敬称をつけて呼ぶ。これはもう、よほど折り目正しい御育ち、そして、さん付けすることで貞淑感を演出するイメージ戦略、のどちらかまたは両方だ。
しずかちゃんの家庭は厳格である描写もあるため、前者は確かに当てはまっていると言えるが、後者についても捨て置けない。その理由が、次で紹介する彼女の言動に表れている。
スネ夫の決まり文句といえばこれ、「悪いなのび太、この○、3人用なんだ」。この発言がなされる場には基本的にしずかちゃんもいる。何しろ、"3人用"のうちの一人はしずかちゃんなのだ。これに対して、「仲間外れにする人は嫌いよ」と怒ることもあれど、たいていは結局のび太が仲間外れにされ、「ドラえも~~~ん、助けてーーーー」