民間月面探査チーム「ハクト」が計画を発表 - 2016年後半にFalcon 9で打ち上げへ
会見に出席したAstroboticのJohn Thornton(ジョン・ソーントン)CEOは、自社の立場を「月面版のDHLやFedExのようなもの」と表現する。
Astrobotic自身もハクトと同様、GLXPに参戦しているチームである。月面ローバー「Andy」と着陸船「Griffin」を開発しており、GLXPでも最有力チームの1つと見られている。ハクトはいわば、GLXPにおけるライバルというわけだが、なぜ競争相手のローバーを乗せるのかというと、同社は輸送ビジネスを事業の大きな柱として捉えているからだ。
GLXPは勝っても負けても1回で終わってしまう。だが、Astroboticが目指すのは、継続して月面にアクセスできる手段を提供することだ。「今まで月面に着陸できたのは、たった3カ国(旧ソ連、米国、中国)しかない。我々は誰もが月面に行って、科学実験や探査活動ができるようにしたいと考えている」とThornton氏は述べる。
そのために重要なのは、より多くの顧客を集め、ビジネスとして成立させることだ。民間の手法でコストを抑えたとしても、月面に行くためには、1回のミッションで100億円規模の巨額な資金が必要になる。