民間月面探査チーム「ハクト」が計画を発表 - 2016年後半にFalcon 9で打ち上げへ
と意気込みを述べる。
そう、現時点で最大の問題は技術ではなく、資金だ。ローバーを開発して、月まで運んでもらうには、最低でも10億円が必要。これは、Tetrisだけを運べる最低ラインの金額だ。Moonrakerも乗せるフルミッションだと、費用は20億円強だという。昨年の段階では30億円としていたが、ローバーと格納容器をさらに軽量化し、輸送費を抑える方針。
現在の調達状況であるが、これまでに最低ラインの「半分くらいが集まった」(袴田氏)という。実現のためには、最低でもあと5億円ほど集める必要があるが、GLXPの中間賞を受賞したことで、IHIによるスポンサードが決まった。
古くから宇宙開発に関わってきた同社が参画したことは、今後の企業スポンサー獲得に向けて追い風になるだろう。
ただ、時間の余裕はあまりない。打ち上げは2016年後半になったとはいえ、打ち上げの1年ほど前には、最終判断する必要があるのだ。その時点での資金調達の状況により、ローバーが1台になるか、2台とも乗せられるのか、決まることになる。
ハクトは当初、日欧合同のチームだったが、着陸船の開発を担当していた欧州チームが撤退したことで、ローバーのみの日本単独チームとなった経緯がある。