地上450mのトイレ!? 東京スカイツリーの「天望回廊」のトイレはどうなっているの?
便器内の水は、排水管内からの菌や悪臭を防ぐふたのような役割をしているため、これでは快適に利用していただけなくなります。そこで、排水管には内部表面に設けられた突起により、排水の落下速度を緩める『減速継手(げんそくつぎて)』を使用し、真空状態を防ぐ工夫をしています」
簡単に言うと、直線の道(排水管)ではスピードが出過ぎてしまうので、それを防ぐための抵抗の役割として管部内に突起があるのだそう。意外にも単純な原理ですね。
長妻さん「こちらも、超高層ビルなどで一般的に使用されている方法です。給排水に限らず、東京スカイツリーでは、メンテナンスの面を考えて、特別な方法を取らず、なるべく一般的なビルと同じような設備を使うように工夫しています」
○リニューアルでトイレの行列を解消
じつは天望回廊のトイレは2015年2月にリニューアルされたばかり。どのような点が新しくなったのでしょうか。
長妻さん「当初、天望回廊のトイレは男女ともに個室が1つずつしか設置されていなかったため、特に女性トイレはお客様にお並びいただく場面もありました。そこで今回、女性トイレの個室を3つに増やしたのです」
天望回廊の最大収容人数は900人。