昆虫サイボーグ研究 第2幕! 自動飛行制御、燃料電池の研究へ
(佐藤氏)
MAVとしては、1年前にハーバード大学が指に乗るくらい小さな飛行ロボットを開発し、ホバリングに成功しているが、とても非力で小さな電池さえも搭載できない。そのため、信号入力のためのケーブルが必要で、無線飛行は実現していない。また横風などの外乱の影響が大きく、実用化には先が長そうである。「電池を載せても横風を受けても安定して飛行できる昆虫の能力と我々の無線システム、これらにフィードバックコントロールを加えて、長時間、長距離に渡って安定して制御可能な飛行体を実現します」と佐藤氏は語る。
●飛行と歩行の制御が実用化の鍵
○ワイヤー72本を減らす工夫を模索
肢の制御に関しては、「飛行に次いで大事な研究」と佐藤氏は強調する。
「サイボーグ昆虫の目的はレスキュー支援です。例えば災害地、瓦礫の下の捜索において、人間や救助犬では入り込めない狭い場所でも、体の小さい昆虫なら内部に入り込み、瓦礫の奥の様子を探ることができます。生存者は周囲とくらべて温度が高いので、昆虫に赤外線センサーを搭載すれば、生存者の場所や人数に関する情報を得て、無線で外の捜索部隊に届けることができます。
また、昆虫にマイクを搭載すれば、生存者と捜索部隊の無線通信も可能となります。