昆虫サイボーグ研究 第2幕! 自動飛行制御、燃料電池の研究へ
けれども災害地などでの実地利用では、細線が障害物に絡まることを避けるために細線を昆虫の体内や体の表面に収納する工夫が必要で、72本の細線をすべて収納することは難しそうです。また、マイコンの出力端子の数が限られていますし、歩行のためのプログラムを組む上で、出力の数が多いことは厄介です。歩行を実現するには、電極の数を減らすことが求められます」(佐藤氏)
解決策として、例えば、マイナスの電極を共通に1本化することが考えられる。その場合共通となる1本の電極をどこに埋め込むかを適切に選ぶ必要がある。また、6本全ての肢を制御せず、4本あるいは2本の制御で歩行することは可能かどうか、といった案が検討されているという。
「過酷な自然環境で暮らしていれば肢を失うことはありますが、昆虫はとてもタフな歩行機構を持っており、数本の肢を失っても歩くことができます。1本の肢の制御を可能にした現在では、次の段階として、2本肢での歩行制御を試みています」(佐藤氏)
実は佐藤氏、次の動画のようにすでに2本肢の同時制御をテストしており、歩行の実演まではあと一歩のところまで来ている。
●そして、バイオ燃料電池の開発へ
○無線通信の電力確保に向け、バイオ燃料電池の開発へ
3つ目の体液を利用したバイオ燃料電池の開発は、長時間の制御を実現するうえで不可欠な研究である。