地域社会と施設を守る誇りと使命感を胸に - 「安全・安心」を守る企業だからこそ震災被災地の最前線でできたこと
同社東北支社 気仙沼センター センター長(当時)の永野朗氏は、津波が引いた後の惨憺たる様相となった店舗を見て、「水浸しの店を放って出ていくわけにはいかない」と感じたという。すぐさま同店の補修などを目的に、全国より同社スタッフが支援に訪れ、当たり前の毎日を取り戻すための取り組みが進められた。その結果、同店はまだ1階のがれきの撤去が終わっていない2011年4月1日に、屋上にテントを設置し、発電機などを稼働させる形で、仮営業の形ながら、営業を再開するところまでこぎつけることができた。営業再開日となった4月1日は、多くの人が買い物をするために列をなした。「朝から多くのお客様が来店され列をなす姿を見て、地域の重要な生活インフラとしてのイオンの役割をあらためて実感しました」と永野氏は当時を振り返る。
○快適な避難生活の実現に挑んだ後方支援のプロフェッショナルたち
一方、イオンモール石巻店は、店舗へのダメージがなかったことが幸いして、震災後2週間にわたって約2500名もの被災者を受け入れる臨時避難所として機能することとなった。そんな避難所生活は、技術力や現場力で業界トップクラスの力を有する同社がこれまで蓄積してきた治安・清掃・施設管理といったすべての分野での専門性が改めて求められることとなった。