地域社会と施設を守る誇りと使命感を胸に - 「安全・安心」を守る企業だからこそ震災被災地の最前線でできたこと
多くの人々が生活を続けるうえで、水道や電気といったライフラインの復旧はもとより、エレベータが壊れていたり、余震によるスプリンクラーの配管破裂など、施設の修理などはやはり専門的な知識がものをいうためだ。そうした避難生活の快適性の向上に向け、「やはり衛生面は言い表せないくらい苦労した」と同社の同店責任者である伊藤敏明氏は当時を振り返る。「とにかく被災者の方々の居心地を意識して、清掃や落下物の撤去などを随時行った」(同)という。
しかし、そうして活動する同社のスタッフたちも、家族が行方不明になったり、仲間が命を落としたりした被災者であった。そんな環境下でも、彼らは連日、清掃などを行っていくことで、避難してきた被災者たちの居住性を向上させたいという想いが、彼らを突き動かしてきた。そうした想いを支えたのが「後方支援に徹しようという使命感」だと伊藤氏は語る。確かに、清掃や点検といった仕事は一見して表に見えない地味な仕事だ。だが、それなくしては快適性を得ることはできない。
「この仕事に入ってから、設備・警備・清掃というのは後方支援隊と思って働いてきた。決して派手ではないが、快適な空間を提供するのが我々の使命」