生き物に学ぶ、オドロキの「性」と「サバイバル術」(前編)
が少し短いという調査結果があるそうです。「オスがメス化しているのでは」という報告は他にも出ています。大人は肝臓の働きで化学物質は体外に出されますが、一番影響を受けるのは胎児と、肝臓がまだ発達していない乳児です。
「最近は環境ホルモンの話題が少なくなりましたが、問題が解決したわけではありません。子供達について継続して調べ、成長後に生殖器の長さが戻るのか、生殖影響があるのかを調べる必要があるのです」
現在、環境省では約10万組の親子を対象にした疫学調査「エコチル調査」を行っています。赤ちゃんがお腹にいる時から12歳まで定期的に健康状態を確認し、化学物質の子どもへの影響を見ていくというものです。日本だけでなく、米国や欧州、韓国も参加する世界的取り組みです。
後半となる次回は、ミジンコの意外なサバイバル術や、井口教授がNASAから依頼され、ケネディ宇宙センターに隣接する野生保護区のワニを捕獲(釣り竿で!)、調査した話などを紹介します。
また、井口教授も登壇する生き物の驚きの能力に関するシンポジウム「第18回 自然科学研究機構シンポジウム -生き物たちの驚きの能力に迫る-」が3月22日(日)