くらし情報『生き物に学ぶ、オドロキの「性」と「サバイバル術」(後編)』

生き物に学ぶ、オドロキの「性」と「サバイバル術」(後編)

「サバイバルというよりも、『どうやったら死ぬの?』という話になりますよね。乾燥しても水が入ればまた生き返る。生きている状態と死んでいる状態はどこで分けるのか、すごく不思議ですね」

ネムリユスリカのような無代謝状態は、人間でも可能なのでしょうか? 火星以遠の木星や土星飛行には、数十年もの飛行期間がかかるため、太陽系大航海には人間の冬眠技術が必要になると川口淳一郎JAXA教授も言われていました。

「脳の手術をするとき、代謝を落とすために氷で冷やした状態にすることがありますね。しかし脳を丸ごと長期間にわたって休眠させられるかどうかは、わかりません。たとえば凍結保存にしても、私達はミジンコの凍結保存にチャレンジしているのですが、まだ実現していません。ミジンコでうまくいかないのですから、ヒトではなかなか難しいでしょうね」(井口教授)

○10. 性ホルモンが正しく働くこと=種のサバイバル

ところで、生き物の研究はなぜ、大事なのでしょうか?

野生生物は「環境の番人」と言われます。環境が悪化すると、野生生物に影響が出ます。
そしてその影響は同じ環境に生きる人間にとって、決して無関係ではないのです。

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