消費者の79%が対面営業と同等にネット情報を重視? - 今、実施すべきオムニチャネルマーケティングとは
その上で『個客』ごとに、どこでどんな風にコミュニケーションするか、どんな施策を打つかを、全社的な始点から設計していきます」
行動特性が加わることで「個客」にまつわる情報は膨大な量となり、セグメントはさらに細分化する。ビッグデータが相手では、どれほど有能なマーケターといえどもKKD(勘、経験、度胸)や手作業による解析で乗り切れるものではない。「個客」に対応したきめ細かな施策を実行するためには、システムの構築が不可欠となる。
○「3つの壁」を打破するには、権限と予算が必要
システム構築への第一歩として、営業やマーケティング、情シス、ウェブ、コールセンターなど、各チャネルの代表者が選抜され、タスクフォース型のプロジェクトチームをつくる企業が多いという。秋野氏は、まずこのチームで下記【図2】のような全社統合戦略を策定することを薦めている。フェーズごとにどの視点で何を行うか、予測される個客の行動、そして実施する策が一目で分かるロードマップだ。これに基づいて、システムの構築・運用を行っていくことになるが、プロジェクト遂行を阻む3つの壁が生じるケースが多いという。
一つ目は、「予算の壁」だ。
企画・構築・運用までの予算を、どの部署が受け持つべきかが、最初の問題となるという。