消費者の79%が対面営業と同等にネット情報を重視? - 今、実施すべきオムニチャネルマーケティングとは
経営判断の材料としてROIを算出する必要が生じてくるが、そのためには現状のコストや効果の把握・可視化を行わねばならない。しかし「可視化を行えるだけのデータをまとめている企業は少ない」(秋野氏)という。
二つ目は「権限の壁」だ。下記【図3】のように、一般的にシステムを組むと急激に効果が上がるものの、やがてその上昇率は落ちていく。損益分岐点前に経営的なジャッジでシステムの更新をすることになるが、新しい施策を次々に展開していかなければならないマーケティング用システムの場合、ジャッジを下すタイミングも頻繁になる。このスピード感のある判断の権限を、誰に与えるのかが次の課題となってくる。
三つ目は「文化の壁」。新しい仮説に基づく施策を打ち出し、その効果をデータとして受け取りたいと考えるマーケティング部門、独自の営業手法にプライドを持ち、施策の実行や効果の報告を手間と考える営業部門、そしてシステム要件が揃わないと、動き出せないシステム部門…というように「発想の文化と"たたむ"文化との対立が生まれてしまうこともよくあります」(秋野氏)。
全社が統一した戦略下で動くことが前提のオムニチャネルマーケティングは、部門間の考えがバラバラだと進めることができない。