今さら聞けない「ロードバランサとSDNの切っても切れない関係」 (4) 自動化を支える「BIG-IQ」。“東西南北”のインタフェースが必要なワケとは?
iAppsは実装されるアプリケーションに合わせてテンプレートを用意している。これが一般的なADC製品とはひと味違うものだ。なぜF5ネットワークスがiAppsを提供しているかというと、もともとL4-7ネットワークはL2-3ネットワークと異なり、設定の自動化が非常に難しい。L2-3サービスは基本的にネットワークをつなぐためのプロトコルであり、そこでやるべきことはどんなアプリケーションでもほぼ同じであり、標準化しやすい。したがって、個々のアプリケーションの要件を意識するケースは少ない。
しかし、L4-7サービスの要件はアプリケーションごとに異なる。例えばセッション管理一つを取ってみても、アプリケーションごとに実装が異なる。アプリケーションが100本あれば100通りのBIG-IPの設定方法があり得る。
そのため、一律に同じ値を自動的に適用するというわけにはいかない。そのため自動化が困難だと言える。
ところが、iAppsでは「アプリケーション固有のテンプレート」という概念を取り入れることで、この制限を克服している。具体的にはアプリケーションの種別ごとにあらかじめBIG-IPの設定値を用意しておき、利用するアプリケーションに応じて対応するテンプレートを適用、設定することで自動化を実現するというものだ。