『マトリックス』から完全進化! ウォシャウスキー監督オリジナル新作『ジュピター』に迫る!
『マトリックス』が大ヒットしたとき、ウォシャウスキーという名前に聞き覚えがない人も多かったと思うが、無理もない。何しろ、『マトリックス』は2人にとって2作目の作品だったのだから。
その後、ウォシャウスキー姉弟は2003年に『マトリックス リローデッド』『マトリックス レボリューションズ』の2作を発表し、シリーズは完結。ここからウォシャウスキー姉弟は長い沈黙に入ることになる。といっても、作品を発表していないわけではない。例えば2008年には『スピード・レーサー』を、2012年には『クラウド・アトラス』を発表している。
しかし、これらはいずれも『マトリックス』とは違い、ウォシャウスキー姉弟の完全オリジナル作品ではなかった。『スピード・レーサー』は日本のテレビアニメ『マッハGoGoGo』を原作にした作品だし、『クラウド・アトラス』はトム・ティクヴァとの共同監督作品で、原作も別にある作品だ。
そうではない。僕らファンが見たいのは、ウォシャウスキー姉弟による完全オリジナルの作品なのだ。原作、監督、脚本――『マトリックス』のように、ウォシャウスキー姉弟がすべてをゼロから生み出した世界にもう一度浸りたい。