『マトリックス』から完全進化! ウォシャウスキー監督オリジナル新作『ジュピター』に迫る!
このままカメラがアップになっていけば、人々の生活に飛び込めそうな気すらするほどだ。背景ひとつとっても、これほどの完成度を誇るのは、ウォシャウスキー姉弟が映画に出てこない場面まで含めて、完璧に世界観を脳内で構築しているからだろう。2人がオタク気質であることはよく知られているが、今回もそんなオタクならではの徹底ぶりがよく表れていると言える。
○『マトリックス』ファンも納得の超スピードアクション
もう一つの進化ポイントはアクションだ。『マトリックス』ファンなら、真っ先にウォシャウスキー姉弟に求める要素だろう。結論から言うと、これも大いに期待してOKだ。『マトリックス』ではバレットタイムと呼ばれる手法で世界を驚嘆させたウォシャウスキー姉弟だが、今回は正統派の超スピードアクションで魅せてくれる。
前半はビルが立ち並ぶ大都市の上空を自由自在に宇宙船で駆け巡るチェイスシーンや、反重力ブーツを使ったスタイリッシュな立ち回り。
後半には宇宙空間や異星の都市を舞台にした、迫力のバトルが展開されるのだ。『マトリックス』とはまた違ったアクションシーンながら、これぞウォシャウスキー!と納得のいく映像に仕上がっている。