2014年1月29日 10:42
岡山大、ビタミンB12関与酵素の「再活性化分子シャペロン」の仕組みを解明
が全体的には似ていないものの、アミノ酸配列が局所的に類似した領域が3カ所存在し、それらが「ADP」結合部位の3つのループに対応することをDD-RのX線構造解析により解明したのである(画像4)。
さらに研究チームは今回、これらの局所的類似領域のアミノ酸残基に変異を導入して研究を進めた。その結果、いずれのループもDD-Rの機能に必須であることがわかり、ATPの加水分解に重要なAsp残基とATP-ADPスイッチに重要なAsp残基とを同定することにも成功したというわけだ(画像5)。また、DD-Rのサブユニット界面に存在するMg2+の役割に着目し(画像6)、Mg2+に配位している残基に変異を挿入するとDD-R機能が失われることが示された。
さらに、このMg2+に配位するGlu残基を含む(Glu)3クラスター領域がB12酵素DD側にも存在することに注目し(画像3)、真ん中のGluをGln残基で置換すると、DDがDD-Rによる再活性化を受けられなくなることも確認されたのである。これらの研究成果により、DD-Rのヌクレオチドスイッチ機構の一端が解明され、また、Mg2+への配位がサブユニットスワッピングとDDの再活性化に不可欠であることが明らかとなったというわけだ。