くらし情報『"紙と鉛筆"が支える21世紀のアニメコンテンツ、その行方は - ACTF「ペーパーレス作画の現状と未来予測」』

"紙と鉛筆"が支える21世紀のアニメコンテンツ、その行方は - ACTF「ペーパーレス作画の現状と未来予測」

○デジタル作画で"線画の味"はなくなる?

今回のイベントでは、デジタル化にすでに取り組んでいる企業・クリエイター3者が登壇し、現状や課題などを思い思いに語った。本稿では、テレビアニメを中心に多数の作品を手がけるアニメーション制作会社「旭プロダクション」の事例を中心に取り上げていく。

約5年にわたってデジタル作画を取り入れてきた同社。2010年にデジタル導入を開始し、それと同時に完全デジタル制作を行う地方スタジオ(宮城白石スタジオ)を設立した。そのスタジオ名から分かる通り、東日本大震災などによる被害を受けてしまった過去もあるが、デジタル作業のノウハウを身につけた原画スタッフが育ちつつあるという。

デジタル作画を導入すると聞くと、描き手の側から見た変化にフォーカスが行きがちだが、実は「描く」工程ではなく、その後の「仕上げ」工程への影響が大きいという。完成形のアニメーションの線はなめらかにつながっているが、その状態は仕上げ担当者の修正によって実現している。視聴者が見ている状態に持って行くには、まず動画のスキャンを行い、スキャンデータの線が途切れた部分やアナログ画のスキャン時に発生する「ゴミ」

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