くらし情報『"紙と鉛筆"が支える21世紀のアニメコンテンツ、その行方は - ACTF「ペーパーレス作画の現状と未来予測」』

"紙と鉛筆"が支える21世紀のアニメコンテンツ、その行方は - ACTF「ペーパーレス作画の現状と未来予測」

を除去する作業が必要となるという。このあたりの作業は、アナログで下絵を描き、スキャンして着色するスタイルでイラストを描く人ならピンと来るかもしれない。デジタル作画の場合、はじめからソフト上で線を引くため、前述のような補正作業は省略できる。

また、スキャン時にどうしても発生しがちな線画の途切れがなくなることで、色塗りの際にはみ出しが生じないため効率化が図れる。実際、鉛筆画のスキャンデータとデジタルツール(「RETAS STUDIO」の付属ソフト「Stylos」)による作画データが並べて表示されたが、線の連続性はデジタル作画データのほうが上であった。加えて、アナログ作画の場合は紙の裏に書いてある影指定を参照しながら仕上げの担当者が塗っているが、デジタルの場合は別レイヤーに記載できるため、用紙を裏返す煩わしい手間がなくなり、こういった部分でも時短と作業者の負担減少が望めると語った。

こうした効率化による利点も多くある一方、同社が把握している範囲でも、現場のクリエイターから「デジタル作画に変更することで、手描きの線のニュアンスや"入りと抜き"の再現が失われるのではないか」と懸念の声があがっているという。

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