いたちごっこの危険ドラッグの流行と取り締まり - 危険ドラッグと戦うための強い味方「分析機器」の脅威の科学力とは
同じエネルギーを与えた時に重たい分子は飛行速度が遅く、軽い分子は速いといった原理を利用します。この質量分析計と、物質を性質によって分離するクロマトグラフィーという分析機器を組み合わせたLC/MS、GC/MSといった分析装置を使えば分析したいサンプルの中にどんな物質がどれぐらい含まれているかを分析可能です。
これらの装置を使うことで、警察が入手した様々な証拠品が危険ドラッグかどうかの判別が可能になります。また、危険ドラッグにどのような不純物がどれぐらい含まれているかを分析することにより危険ドラッグの流通ルートの解明にも用いることが出来ます。こういった分析手段・装置は「質量分析計」という名前は出てこないことが多いですが、近年では海外の法医学ドラマなどでよく活躍しているのを見かけます。画面上のマススペクトルと呼ばれる波形状の解析結果を見て、「XXが検出された」と言っているアレです。
質量分析計の大手メーカーである日本ウォーターズによるとこういった機器は1台1億円を超える一部屋を占めるような超高性能の巨大な装置から、卓上に乗るほどコンパクトで1000万円を切る装置まで様々なラインアップがあり、医薬品メーカーや、食品メーカーなどに加え、危険ドラッグの判別等の各種分析を行うために警察関連機関、各都道府県の衛生試験研究所で使用されているそうです。