巨人Intelに挑め! - 1GHzを突破せよ (6) 番外編 - CPUコアのコードネーム
○なぜコードネームを公開するのか
私は元来エンジニアでないので、半導体デバイスの回路設計の現場などは想像も及ばないのだが、長年AMDに勤務しているうちに回路パターンの拡大図をずーっと眺めているのが好きになってしまった。かつての私のAMDでのオフィスにはプロセッサ製品のダイ(シリコンチップのこと)の拡大写真が額に入れられて飾ってあったものだ。基本的に半導体回路の製造過程は印刷の技術なので、ダイ写真と言うのはシリコン職人の印刷作品ともいえる。
じーっと眺めていると職人気質のエンジニアたちの熱い思いが伝わってくる。そもそも、ダイの拡大写真の公表などは、機密保護の観点からすれば非常に矛盾している話ではあるが、新製品の発表と同時に雑誌などに載せることを想定してダイの拡大写真が送られてくるということは、職人たちの作品展示という意味があったのではないかと思っている。
初期の製品は手作り回路で非常にごちゃごちゃしていたものだが、集積度が急激に増すにつれてCADシステムの発達で、だんだんブロックごとの形が決まってきて、各ブロックが整然と並ぶようになる。またマルチコアになると、同じパターンのCPUコアが2個、4個とはっきり目視できるところが面白い。