成田空港第3ターミナルに陸上トラックが現れた理由は? - クリエイティブラボPARTY・伊藤直樹が仕掛けた「空港のデザイン」
伊藤さん:
スカイツリーを設計した日建設計さんから、成田空港の第3旅客ターミナルを作りたいということで、お話をいただいたのが3年前のことです。
通常、サイン設計はハコができてから必要なところに設置していく、というのが流れなのですが、建築計画の段階からサイン設計を念頭に置いた空港を作りたいという姿勢に興味を持ち、ふたつ返事で参加させていただきました。
通常のように、ハコが完成した後にサインを置くとなると、どうしても空間の制約などが出てくるのですが、一緒にゼロから参加することで、ターミナル自体のコンセプトというか、フィロソフィーがしっかりと全体に反映できたと思っています。
○LCCターミナルを形作るということ
効率化によって低価格な運賃を提供するLCCの専用ターミナルというだけあって、ターミナルの設計も"リーズナブル"に行う必要があったという。
既存の空港に数多く設置されている内照式の看板は、1個あたりの価格が約100万円。同ターミナルの予算上、まずはこの看板をこれを減らすことが設計の前提となったそうだ。そこで、第3旅客ターミナルの看板には、何と横断幕などで使われるターポリンという布素材を採用。